定期レポート2014年1月

ソフィア・アイ :成長するエネルギー

 

新年が始動し、早いもので3週間が過ぎました。

 

昨日は東京都知事選が告示され、世の中は政治の季節を迎えているかに見えます。
エネルギー政策ばかりでなく、国防、防災、景気の持続的回復、そして国民に希望を もらたすオリンピック開催に至るまで、地方選挙とはいえ、重要な国の方向性に ついての国民の意思表示が求められています。

 

経済においては、安倍政権の積極政策もあり、経営者マインドが依然ポジティブに 維持されており、大手企業を中心に今春の本格的な賃上げ(ベア)が検討されています。

 

さて、こうした中での人事政策には、何がもっとも問われているでしょうか?
人事制度の調整でしょうか。運用の充実でしょうか。研修体系の見直しでしょうか。

外部環境がポジティブに推移している今だからこそ、人事政策の軸を今一度鮮明に することが必要なのではないでしょうか。
自社ビジネスに求められるのは、どのような条件を備えた人材なのか(人材像)。そう した人材は、どのようにすれば育成されるのか。そして、育成・成長の支えになる パワーは、どうすれば組織の中に漲るのか?

 

このようなことを考え直すヒントとして、近年の企業組織に特有の問題を考えることが 参考になります。
メンタル疾患、それによる若年層のモチベーションダウン、早期退職、その背景に ある上下人材間でのコミュニケーションギャップ…。
そこには、将来有望な若手人材が、自らの持てる力をどう発揮していくかを巡って、 迷い苦悩する姿があります。

 

そうしたことは、最近のマネジメント理論や心理学分野でも検討が進んでいます。
「欠乏動機」とは、かの欲求5段階説で有名なマズローの言葉です。
自分が満たされていないこと、欠けていることに対して、それを埋め合わせるべく 頑張ろうとするモチベーションです。ただ、近年の企業組織ではこうした動機で動く 人材は、著しく減少しているといわれています。
つまり、かつて濃厚に存在していた欠乏感(もっと高い報酬、もっと高い地位、もっと 貢献性の高い仕事…)が、若手人材の感情からは急速に失われているわけです。

 

ところで、欠乏動機に代わるモチベーションとして、マズローは「成長動機」という 言葉を使っています。
よく知られた言葉では、「自己実現の欲求」です。
これなら、世代を問わず、広範な人材のマインドに存在しています。
組織の方向性と個人のキャリアの方向性のすり合わせ、企業の利害と個人の幸福感の調整、 この古くて新しい課題に、人事戦略は、より丁寧に粘り強く、それでいて一層大胆に対応していく勇気が求められる年になりそうです。

 


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