定期レポート2011年3月

ソフィア・アイ :新年度への展望/激動する経済情勢への指針

 

2011年も3月となり、多くの企業での新事業年度が目前に迫ってきました。
政治・経済情勢共に先行きの不確実性が高まる中、新たな状況に対応するための 懸命の模索が続けられています。
それを踏まえ、中期的な視点からの経営指針を整理しておきましょう。

■その1:グローバル化への指針


次々の導入されるグローバル基準に闇雲に対応する時代は、すでに終わりを告げ ました。
なぜなら、グローバル基準への単純な追随は、メリットよりも弊害の方が大きい ことが明らかになってきたからです。
ただ、依然として、様々な形でのグローバル基準のわが国への浸透は進んでいま す。これらに対して、明確な経営姿勢を持っておく必要があるでしょう。
  (1)自社における経営効果を十分に吟味する
     ※特に、数年後の移行が確定しているIFRS等への対応上の留意点です。
  (2)制度・仕組み等を最低限の整備にとどめる
     ※間接業務の増大、及び悪影響としてのモラールダウンに注意が必要です。
  (3)前向きの経営戦略を全面に押し出す
     コンプライアンス、法令対応、及びそのための業務プロセス整備……、
     こうしたことは基本的に収益とは無関係(※マイナス影響はあっても)です。
     したがって、経営がこのようなことにだけ注力しているような印象を
     組織に与えないようにしなければなりません。
     それと合わせて前向きの新たな経営戦略を打ち出す、あるいはそれ以前から
     そうした取り組みを強化しておくといった最低限の工夫が不可欠です。

■その2:労務施策ブームへの指針


労務関連施策の導入ブームが依然として続いています。
労務管理におけるメンタルヘルス対策、ワークライフバランス施策、労働時間削減 施策等です。また、教育においても、メンタルヘルス施策、パワハラ・セクハラ 対策等の実施が盛んです。
こうした労務施策ブームについても、明快な経営指針が不可欠でしょう。
  (1)労務施策は、衛生要因ではあっても収益要因ではない!
     労務施策をいかに多くコストをかけて実施しても、収益の改善にはつながり
     ません。なぜなら、それらはいずれも「衛生要因」(※それに対応しなけ
     れば「不満」は高まるが、対応してもワークモチベーションは高まらない
     ような要因)だからです。
  (2)必要最低限の対応を!
     こうした衛生要因対応は、最低限の施策にとどめるのが、依然として
     経営の定跡といえます。
  (3)労務施策がモチベーション要因であるかの風潮に惑わされない!
     近年の状況が複雑なのは、上のような衛生要因対応が、あたかもモチベー
     ションを高める施策であるかのように喧伝される傾向があることです。
     特に、ワークライフバランス施策やメンタルヘルス施策において、この
     ような論調が目立ちます。しかしながら、現実にはそのような事実は
     ほとんど存在しません。
     こうした点にこそ、自社の現場組織の現実、実態に即して、冷静な経営判断
     が求められるでしょう。

 

 

 



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